映画がわからない

ほとんど映画を観たことがありません。僕のような人のために、映画を観て感じたことを書きます。

『トゥルーマン・ショー』はおもしろい?

主人公のトゥルーマンは保険会社に勤める一般市民。だと自分では思っているが、彼の生活は24時間隠しカメラで撮影され、全世界に生放送されている。1998年のアメリカ映画。監督はピーター・ウィアー

 

BDのジャケット写真が古く、なんだか内容まで古くさそうで、面白いとは聞きながらなかなか観なかった映画。結果、面白くて、もっと早く観とけばよかったと思いました。ジャケットで決めつけるのは良くないですね。

 

主人公は徐々に自分の周りがつくりものの世界である事に気づき、自由を求めて街から飛び出そうとします。テレビ番組の制作側は、交通渋滞、バスの故障、あの手この手でなんとか彼の脱出を阻止しようとします。それすら全世界の人に見られているわけですが。

 

音楽も映像も綺麗で、とても観やすい映画です。それだけじゃなくて、いい意味で " 引っかかりの残る " ストーリーがとても良いです。

 

彼は何不自由ない安全な今の生活よりも、自由と真実を求めて外の世界に出る事を決意します。よく「自分を変えたい!」とか、「環境を変えたい!」などの言葉を耳にします。けど、 " 変える " ってほんとは結構怖いですよね。変わってしまった後、良くなるかどうかはやってみないと分からないし、後戻りも出来ません。まだ見たことのない恐怖、不安があって、保険や保障はありません。だからこそ、全世界から見ている視聴者も、トゥルーマンの勇気を応援します。

 

物語の冒頭で、彼は鏡の中の自分に向かって語りかけます。

 

 " 自信がない   僕抜きでやって "

 " くじけるな   山のてっぺんを極めるんだ   たとえ脚を折っても "

 " お前はイカれてる "

 " 頑張るんだ   1つだけ約束を   登頂前に遭難したら   僕の体を食っていい   オェッ   気味悪い "

 " 僕を食うんだ   命令だぞ "

 

よくわからなかったけど、一度観終わってからだと、

「何かを成し遂げるその時に迷いが生まれたら、勇気をもってこれまでの自分を壊して、新しい自分になれ。」

と言っているように感じます。観る人によって面白いと感じるところが違う映画だと思いますが、何はともあれ、良い映画だと思います。

 

 

おもしろい☆☆☆☆★

『アダムス・ファミリー』はおもしろい?

アダムス一家に25年前に失踪した兄が帰ってくる話。1991年のアメリカ映画。監督はバリー・ソネンフェルド

 

チャールズ・アダムスカートゥーンを原作としていて、アニメ化、ドラマ化された後、映画化されたのが本作品。2年後には続編 " アダムス・ファミリー2 " も公開されており、ブロードウェイでミュージカルにもなって、今年2019年の10月11日には3DCGアニメーション映画として全米で公開されるようです(日本での公開は未定)。時代をこえて愛されている作品なんですね。

原作は1937年から「ザ・ニューヨーカー」という雑誌で連載していたそう。ティム・バートンも大きな影響を受けたとか。

 

アダムス一家は幽霊なのかモンスターなのかよくわからない、不気味な人たち(人?)によって構成されています。当主ゴメズは吸血鬼、妻のモーティシアとその母グラニーは魔女、ウェンズデーとパグズリーの姉弟サイコパス、使用人の大男ラーチはフランケンシュタインっぽくて、あとは、手首だけで動き回るハンド。失踪していた兄フェスターもモンスターっぽい。シュレックとスケキヨが合わさったような感じ。

ファミリーは大きな古いお屋敷に住んでいるんだけど、昔のお城みたいなつくりで、拷問の器具や古い武器、魔女の鍋、ハリケーンや日光が飛び出してくる本、秘密の部屋など、怪しい雰囲気のあるものばかり登場します。照明は電気とロウソク、外には広い庭が広がり、先祖の墓と気味の悪い石像のモニュメントがずらりと並びます。

 

 " ハリーポッター " や " チャーリーとチョコレート工場 " のように世界観がしっかりした映画なので、世界観に浸かりたい人にオススメ出来ます。ホラー・ファンタジーですが、ダークな要素はほとんどありません。少し狂っていますが、健全です。アリスのお茶会くらいの感じ。ストーリーについては特筆することはありません。ドラマも感動もありません。その辺りを求めている人は、別の映画を観た方がよいです。

 

そして、今年公開される3DCG版アダムス・ファミリーのティザーも見てみました。正直、あんまり興味をそそられなかった。

 

実写だとセットも小道具もメイクもすごいし、「本当にありそうなもの」としてその世界観に引き込まれるんだけど、アニメだと「存在しないものを描いている空想のお話」に見えるというか…。実写映画とアニメ映画の違いをひとつ知りました。

 

 

おもしろい☆☆☆★★

ストーリー☆☆★★★

世界観☆☆☆☆☆

ティム・バートンが好きな人☆☆☆☆☆

『スタンド・バイ・ミー』はおもしろい?

少年4人組が死体を探しに行く、小さな夏の冒険の話。1986年のアメリカ映画。監督はロブ・ライナー。原作はスティーヴン・キングの短編小説「THE BODY」。

 

ベン・E・キングが歌う主題歌が好きで観てみようと思った映画。映画を観てから、取り憑かれたように毎日聞いています。

 

子供の頃を思い出す映画。ジュゼッペ・トルナトーレの『ニュー・シネマパラダイス』に少し似ています。『ニュー・シネマパラダイス』は主人公自ら過去の自分を回想していて、自分や時代が変わっていく事への哀愁が強く表現されています。一方で『スタンド・バイ・ミー』は、今まさに少年たちが冒険しているという感じ。もっと純粋に少年時代を描いている感じです。

 

タバコを吸ったって虐待されたって家庭が荒れてたって、少年たちはみんな今を生きていました。子供の心はとても繊細で、感情のコントロールも下手だからいたずらしたり物を盗んだり機関車にひかれかけたりすることもあるんだけど、だからこそ分かり合える仲間は大切。現実に我慢が出来なくても、「きっと未来にはなんとかなる」という若さ溢れる希望を彼らはもっています。

 

大人になると仲間も未来も少なくなっていくものですが、気づかないうちに希望まで落っことしてしまいます。私もいくつか落っことしました。でも、希望を失うとイキイキと生きられないと思う。

 

どんな生き方を選んだとしても、少年の心を忘れないままに歳をとっていきたいと思えました。みなさんもそうでしょう?

 

 

おもしろい☆☆☆☆☆

すべての大人に☆☆☆☆☆

『フォレスト・ガンプ/一期一会』はおもしろい?

主人公のフォレスト・ガンプは、知能指数では人に劣るものの、素直に、真っ直ぐ生きていく。1994年のアメリカ映画。監督はロバート・ゼメキス

 

ベストな映画に挙げられることも多いので観てみたかったんだけど、2時間半もあるのでなかなか観なかった映画。とても面白かった。退屈せずに観れました。もっと堅い映画だと思ってたけど、コミカルなシーンもあって、重たくないです。

 

主人公の半生を描いたヒューマンドラマ。幼少期の1950年代の回想から始まり、80年代の現在まで物語は進みます。その時代のアメリカの社会背景が分かる映像や流行った音楽が頻繁に登場するので、本作を観に行ったアメリカ人は昔を懐かしんだことでしょう。2019年の日本人が観ても、全く問題なく楽しめます。

 

主人公は軍隊に入って勲章をもらったり、卓球プレイヤーになって世界大会に出たり、テレビでジョン・レノンと共演したり、エビ漁で当てて社長になったり、ミラクルな人生をおくるところが、ティム・バートンの「ビッグ・フィッシュ」に似ている。ファンタジー要素はないけど。

 

何が主題なのかはわからないけど、いくつものメッセージが込められています。人生に絶望している人を勇気づける、優しい映画です。展開はあるんですが特筆すべきストーリーはなく、なんだか説明しづらいんですが、とてもよい映画だと思います。

 

 

おもしろい☆☆☆☆★

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はおもしろい?

ミュージカルが大好きな主人公セルマは先天性の病をもっており、視力が衰え、いずれ失明してしまう。病は息子にも遺伝しているが、13歳までに手術すれば完治する。工場で働きながら内職もこなし、必死に息子の手術費を稼ぐが、疲労からミスをして工場をクビになり、さらには貯金が盗まれてしまう。2000年公開のデンマーク映画。監督はラース・フォン・トリアー。主演はビョーク

 

タイトルそのままに、ダークなミュージカル映画。 " ダーク・ファンタジー " から " ファンタジー " を取ったような映画。画面は終始セピア色で不安定に揺れ、救いようのないストーリーが続く。心は濡れ雑巾のように重たくなり、冷たく、湿っていきます。そして、2時間半なんとか我慢し、観続けた者に、トドメを刺すラスト。もう観たくありません。「ええじゃないか」や「踊り念仏」なんかの、 " 絶望の先の狂気 " をみました。

 

とてもアーティスティックな映画です。音楽もすごくいい。キャッチーではないし、ワクワクもしませんが、すごくいいです。歌って踊りだすシーンも、一般的なミュージカルと違って全くクサくない。ミュージカルが苦手な人でもスムーズに観れます。

 

芸術寄りの人が観る映画だと思います。あと主人公は共産主義国家のチェコからの移民なので、そういうことに関心がある人も観てもいいのかも。一人で観ることをオススメします。間違っても、家族と、恋人と、子供と、友達と観てはいけません。それに、あんまり落ち込んでいる人に勧められる映画ではないです。こんなに気分の落ち込む映画は初めてです。映画としての完成度はとても高いです。

 

 

おもしろい☆☆☆★★

また観たい★★★★★

 

『ニュー・シネマパラダイス』はおもしろい?

第二次世界大戦後間もないシチリア島、貧しい村の人々の唯一の娯楽は映画だった。映画と共に育ち、ローマで映画監督をしているサルヴァトーレは、父のように慕っていたアルフレードの訃報をきっかけに少年時代を思い出し、30年ぶりに帰郷する。1988年のイタリア映画。監督はジュゼッペ・トルナトーレ

 

哀愁漂う落ち着いた映画。音楽がとてもいいです(作曲:エンニオ・モリコーネ)。

 

大人が観る映画です。若者が観ても面白くないかも。少年の頃の思い出、時代が流れる切なさなどが、主人公の回想として描かれています。子供の頃の時代は、誰にとってもいい時代であるのかもしれません。とにかく切ない。

 

全体を通して強いストーリーではないですが、とてもいい映画だと思います。「僕より感動する人もたくさんいるだろうなぁ」と思いました。今の自分の生き方に疑問をもっている人は、自分を見直すきっかけになるかもしれません。

 

日本人でもイタリア人でも、時代を懐かしんだりする感覚は一緒なんだと思うと、なかなか嬉しいですね。

 

 

おもしろい☆☆☆☆☆

すべての大人に☆☆☆☆☆

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、きみに』はおもしろい?

社会現象を巻き起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。主人公碇シンジの頭の中を表現したようなテレビアニメの最終2話を、その時現実世界で何が起こっていたのか、視点を変えて描き直したもの。1997年公開の日本のアニメ映画。監督は庵野秀明鶴巻和哉

 

この映画で、アニメから続くストーリーの完結となります。これがないとアニメの意味が全然わかりません。ただ、正直、これを観ても?が残るばかり。お話がよく分からないままに終わってしまったという印象です。

 

そこにきっと何か意味があるはずだと思って観ていたので、ガックリきました…。人気があるので作者のタイミングで終われず、伏線が残ったまま打ち切りになった少年漫画のようでした…。

 

私はあんまり好きじゃなかったです。わざわざ観る必要はなかったように思います。期待し過ぎたのか…。興味のない人は観るべきではない映画だと思います。話のネタとして観たい人は、それなりの覚悟をもって観ることをおすすめします。映画とアニメ映画は違うものなのか…?

 

 

おもしろい☆☆★★★

モヤモヤ感☆☆☆☆☆